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内科01.C型肝炎
 「C型肝炎」は、HCVの感染によって起こる肝臓の病気です。肝臓の病気は大半がウイルスによると言われており、肝炎を発症するウイルスには、A、B、C、D、E型があリます。ウイルスが同定されなかった時期は非A非B型肝炎と呼ばれていた疾患の1つです。1989年に米国カイロン社のChooらが患者の血漿をチンパンジーに接種し、その血漿中からウイルス遺伝子をクローニングすることで初めて同定されました。C型肝炎は、HCVが肝臓の細胞内で増殖し、細胞を破壊することによって起きます。
 HCVの感染力は弱いのですが、ひとたび体内に侵入すると、約70%の人がHCVキャリアとなります。放置すると慢性肝炎になり、自然に治ることはほとんどありません。慢性C型肝炎は、約20年で肝硬変となり、約30年で肝細胞がん(肝がん)になるといわれています。治療がうまくいくと、この進展を阻止できます。
 現在の日本のHCV感染者数は約200万、肝がんは悪性腫瘍の死亡数の第4位にあり、年間3万人を超える方が亡くなっています。世界では1億7千万(世界人口の3%近く)がキャリアであると見られています。

■ C型肝炎ウイルス(HCV)とは?
(HCVの電子顕微鏡像の模式図)HCVはエンベロープと呼ばれる外殻の膜構造とウイルスの遺伝子RNAとそれを囲むコアたんぱく質とからできています。
■ 感染経路
 HCVの感染経路は、1. 輸血による感染と 2. 輸血以外の経路による感染に分けられます。
1. HCVを含んだ血液の輸血による感染は「輸血後肝炎」と呼ばれ、輸血後2週以降に発症し、少なくとも2週間以上肝機能障害が持続し、かつ他の原因による肝障害がないことが確認された場合に診断されます。 わが国では、現在、輸血用血液についてはHCV抗体検査を行っていますので、輸血後のC型肝炎の発症はほとんどありません
2. 輸血以外の経路による感染は「散発性感染」とも呼ばれ、以下に示すように、いろいろな経路からの感染の可能性がありますが、常識的な社会生活を心がけていれば、ほとんど感染しません。
@ 長期間血液透析を受けている場合
A 頻繁に血液に触れる職業に従事している場合(特に針刺し事故など)
B HCV感染者の血液が付着したカミソリや歯ブラシを共用した場合
C HCVに感染している母親から生まれた子供(ただし、少ない)
D HCV感染者と性交渉があった場合(ただし、まれ)
E HCVに感染した人の注射器や注射針等を使いまわした場合
F HCV患者が使用した器具を用いて入れ墨やピアスの穴あけをした場合
G HCV感染者からの輸血、臓器移植等を受けた場合
H 他人と注射器を共用して覚せい剤、麻薬等を注射した場合


 以下のような場合にはHCVによる感染はありません。
* HCVに感染している人と握手した場合
* HCVに感染している人と抱きあった場合
* HCVに感染している人とキスした場合(唾液では感染しません)
* HCVに感染している人の隣に座った場合
* HCVに感染している人と食器を共用した場合
* HCVに感染している人と一緒に入浴した場合等

 初感染で急性肝炎発症後もALTが高値を保ち、HCV-RNAも陽性のまま持続して慢性肝炎に移行する例が多い。ALTが正常値を示した場合は通常HCV-RNAも陰性となって治癒するが、HCV-RNAが陽性で無症候性キャリアとなる場合もあります。遷延化して慢性肝炎となる割合は70〜80%にも及びます。初感染で劇症化する例はまれです。
 慢性肝炎を発症した場合は20年で約60%が肝硬変へと進展します。肝硬変になった後は年間7〜8%が肝細胞癌に進展します。肝硬変を経ずに肝細胞癌へ進展することは少ないとされています。

   HCVキャリアの多くは程度の差はあれ、自分が感染源になるのではないかと不安を抱いておられます。ご自身の血液や体液が直接または間接的に他人につかないよう注意をしていれば,通常の日常生活では感染を広げることはほとんどありません。食器の共用や入浴やキス(唾液では感染しません)では感染しません。
 家族やまわりの方へ感染させないためには、具体的には、以下の項目を守るようにしましょう。
@ 献血は絶対にしない。
A 歯ブラシ、ひげ剃り等の血液が付着する日用品は個人専用にし、他人に貸したり、または借りたりしないようにしましょう。
B 他の病気で病院に行ったとき、また歯科治療の際は、医療従事者への感染を予防するためにも、医師にC型肝炎であることを告げましょう。
C 外傷、皮膚炎、鼻血、月経などで出血したときは、できるだけ自分で手当をし、血液のついたものはむき出しにならないよう包んで捨てるようにしましょう。また、他人に手当てをしてもらう場合は、手当てをする人に血液や分泌物がつかないよう注意しましょう。
D 月経時の処理には注意を払い,月経時の排尿,排便の後は常に石けんと流水で手を洗うようにしましょう。
E 乳幼児に、ひげ剃り痕を押し付けたりしないようにしましょう。
F C型肝炎ウイルスはセックスではほとんど感染しません。ただし、女性が感染している場合、生理中とその直後はひかえください。

急性肝炎
 急性肝炎を疑わせるエピソード(輸血、注射、手術、針刺し事故、覚醒剤注射)が確認できればIgM型HA抗体、HBs抗原、IgM型HBc抗体、HCV抗体を検査します。A型肝炎やB型肝炎が除外できたらHCV-RNAを検査し、HCV抗体が低力値か陰性であればC型急性肝炎です。HCV抗体が陽性であった場合は数ヵ月後に再度測定し、抗体値が上昇すれば急性肝炎、上昇しなければHCVキャリアの急性増悪です。
慢性肝炎
 HCV抗体の検査を行い、抗体が陽性の場合、HCV-RNAの検査を行ないます。HCV抗体が陽性でも、HCV-RNAが陰性の場合は、肝炎ウイルスは排除されています。

 治療には、抗ウイルス療法と抗炎症療法があります。
(1) ウイルスを完全に排除する(抗ウイルス療法)
 ポリエチレングリコール付加インターフェロンα(PEG-IFN alfa)とリバビリンの併用が中心となっています(ペグイントロン®+レベトール®、ペガシス®+コペガス®)。2型もしくは1b型低ウイルス量症例では9割近くがウイルス排除できます。難治性の遺伝子型1b型高ウイルス量症例でも5割がウイルス排除できます。ただし残念ながら日本ではインターフェロンが効きにくい1b型が70〜85%を占めます。
(2) 肝臓の炎症を抑えて病気の進行を遅くする(抗炎症療法)
 治療をしてもウイルスを完全に排除できなかったり、体の調子によりウイルスを排除する治療を受けられなかった場合でも、病気の進行を遅くする治療方法です。
 主な薬品としては、グリチルリチン(強力ネオミノファーゲンシー®)、ウルソデオキシコール酸(ウルソ®、ウルソサン®)、肝臓加水水解物(プロヘパール®など)、小柴胡湯といった製剤が用いられます。
 また、血中の鉄分が肝機能に悪影響を与えるため、瀉血療法を用いることもあります。


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