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内科29.うつ病
 気分が沈んで、うっとおしい時は、誰にでもあります。でも、その状態が長く続いたり、家族や同僚に迷惑が及ぶようであれば、放ってはおけません。「誰でもかかる可能性がある」「かかりやすい」ことを表した『うつ病は心の風邪』という言葉が、一部における「うつ病は放っておいても簡単に治る」「気の持ちようでなおる」という誤解に繋がっていますが、風邪と違って時間がたてば自然に治る病ではありません。
 抑うつ状態とは、気持ちがふさいでしまって晴れ晴れしない心の状態です。その程度はいろいろで、一晩寝たら治るものから医者に相談しなければならないものまであります。
 医者にかかるきっかけになる典型的な症状としては、抑うつ気分のほか、興味と喜びがなくなったり、疲れやすくなったり、動く気さえなくなると言った状態が多いです。このほか一般的に見られる具体的な症状を以下に挙げてみましょう。

1.睡眠障害
・・・寝つけない、眠れない、朝起きられないなど。
2.食欲不振
・・・逆に過食になることもあります。
3.集中力と注意力の減退
・・・ぼうっとして、うつろな状態。
4.自己評価と自信の低下
・・・自分は何もできない人間だと思ってしまう。
5.罪責感と無価値観
・・・4.から、何もかも自分が悪い、自分に価値がないと思いこむ。
6.将来に対する希望のない悲観的な見方
・・・5.の結果として先行きに絶望を感じる。
7.自傷あるいは自殺の観念や行為
・・・6.が進むと、自分の存在そのものを否定する行為におよぶ。

 もちろん、人によって現れてくる症状も違い、時には他の精神的変化に抑うつ症状が隠れてしまうこともあります。いずれにせよ、少しでも早い段階で回復への道を探ることが必要であることは、いうまでもありません。

 臨床場面でうつ病として扱われるのは DSM の診断基準に従って、「死別反応以外のもので、2週間以上にわたり毎日続き、生活の機能障害を呈している」というある程度の重症度を呈するものです。
 DSM-IV の診断基準は、2つの主要症状が基本となります。それは「抑うつ気分」と「興味・喜びの喪失」です。
抑うつ気分」とは、気分の落ち込みや、何をしても晴れない嫌な気分や、空虚感・悲しさなどです。
興味・喜びの喪失」とは、以前まで楽しめていたことにも楽しみを見いだせず、感情が麻痺した状態です。
 この2つの主要症状のいずれかが、うつ病を診断するために必須の症状であるとされています。
 これら主要症状に加えて、「抑うつ気分」と類似した症状として、「自分には何の価値もないと感じる無価値感」、「自殺念慮・希死念慮」などがあります。これらのグループの症状をまとめると「気分が落ち込んで嫌な毎日であり、自分には存在している価値などなく、死にたいと思う」という訴えとなります。
 「興味・喜びの喪失」と類似した症状としては、「気力の低下と易疲労性」、「集中力・思考力・決断力の低下」があります。このグループの症状をまとめると「何をしても面白くなく、物事にとりかかる気力がなくなり、何もしていないのに疲れてしまい、考えがまとまらず小さな物事さえも決断できない」という訴えとなります。
 さらにこれらの精神症状に加えて「身体的症状」として、食欲、体重、睡眠、身体的活動性の4つの領域で、顕著な減少または増加が生じます。訴えとしては「食欲がなく体重も減り、眠れなくて、いらいらしてじっとしていれない」もしくは「変に食欲が出て食べ過ぎになり、いつも眠たく寝てばかりいて、体を動かせない」というものになります。
 DSM-IV では、主要症状1つを含む5つの症状が2週間以上持続することが、大うつ病診断の条件となっています。

 抑うつ状態とは、車にたとえればアクセルを踏みすぎてバッテリーがあがった状態といえます。症状を自覚しはじめたら、重症になる前に、まずは自分のペースを見つめ直すことが必要です。具体的には、次のようなことを心がけてみましょう。

1.アルコールに頼らない
・・・お酒を飲んでいい気分になるのはほんの一時。基本的な解決にならないばかりか、かえって症状を悪化させることもあるので、頼らないように。中には常用してアルコール性うつ病になられる方もあります。
2.睡眠を大切に
・・・人にとって睡眠は、非常に重要な意味をもちます。夜更かしをやめ、きっちり睡眠をとって早起きする、規則正しい生活リズムを取り戻すことが肝心。特にふとんに入った後はあれこれ考えることをやめて頭のスイッチを切り、すぐに眠りに入る努力をしましょう。
3.こだわりすぎない
・・・社会生活には、協調性も欠かせません。思いどおりにいかないことはあっても、「それはそれでいいか」とおおらかに思える気楽さを持ちましょう。
4.一人で思い悩まない
・・・同じことを一人でくよくよ考えつづけるのはタブー。身近な人に話してみたり、ぱっと忘れて気分転換をするなど、自分なりの解消法をいくつかもっておきましょう。

1.病識を持ってもらう
 いま現在患者さんに起こっている事態がうつ病である、ことをよく説明し、治療の必要性を本人と家族に理解してもらうことが大切です。

2.根気強い治療を
 うつ病の回復過程は直線的ではなく、一進一退があることを説明します。「すぐに治りますよ」という安易な説明は、結局は患者さんの落胆になってしまいます。「少なくとも数カ月から1年は治療が必要だが、根気よく治療を続けることでかならず回復できる」ことを伝えます。

3.患者さんを非難しない、励まさない、重大な決断は棚上げに
 患者さんを治療にのせることを第一に考えるべきで、患者さんの病前性格や行動パターンを非難してはいけません。また、うつ病では症状としてマイナス思考などがあらわれるが、「弱虫」、「情けない」、「怠け者」などと責めてはいけません。
 休養は、特に治療初期では、服薬と並んで重要です。患者さんは心と身体がついていかない状態にあり、それを頭ではわかっているが心の奥底では焦りを感じています。励まされると、焦りが増幅してリラックスできないばかりか、自責感も強まってしまいます。善意であっても患者さんを励ましてはいけません。家庭で休息がとれる環境を整え、暖かく見守るようにしてください。自宅療養の場合は特に家族の理解が不可欠です。
 また、うつ病では、マイナス思考や決断力低下が生じています。重大な決断(例:退職、離婚)は棚上げにします。

4.リラックスして楽しい刺激を
 休養は安静にすることではありません。好きなことをして楽しく過ごすようにしてください。仕事を休んでいるのに遊んでいてはいけない、などと考えて罪悪感をもたないように。そういう性格だからうつ病になってしまうのです。リラックスして楽しい刺激を脳に与えることが治療なのです。でも、それも疲れやすいので、疲れたらすぐ休むようにしてください。療養中は思い切りナマケモノになりましょう。

5.服薬の重要性
 個人の正常域の下限を突き抜けてしまった状態がうつ病であるため、休養だけでは早期回復は望めません。薬剤の効果、副作用について十分説明して納得してもらい、服薬の自己中断を防ぎます。

6.自殺を防ぐ
 うつ病では自殺が起こりえます。治療中は常に自殺の危険を考慮に入れておく必要があります。「うつ病は必ず治る病気なので、その時の感情に流されて自殺することだけは絶対に止めてください」、と念を押します。自殺念慮が強い時には、入院を勧めます。家庭で看る場合には、家族に観察を強めてもらいます。自殺手段まで考えている場合には、精神科に紹介します。

7.治ってきたら
 緩やかなペースで、病前の活動レベルに戻るように指導します。できたことを褒めて、自信を回復させるようにします。生活スタイル(過度な業務量やストレス)、病前性格や行動パターン(うつ病親和性)などを再考して再発しない環境を整えます。症状再発の際には、早めに受診するように告げます。

■ 老年期の抑うつ病
 近年、社会の高齢化とともに注目されるようになってきたのが、老年期の抑うつ状態です。これは、しばしばストレスの多い生活上のできごとが原因になって起こります。男性より女性に多く見られるのが特徴です。症状の特徴には、次のようなものがあります。
・他の病気と重複する
・身体の不調の訴えがオーバーになる
・物忘れと重なって現れる
・性格がとぎ澄まされ極端になる
(例/お人好しの人はますますお人好しに、いじわるな人はますますいじわるに)


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