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リハ02. ロコモとは
概念図
概念図

 ロコモは「運動器の障害によって,移動機能 が低下した状態」をいう.進行すると人の生活 活動の自立性を阻害し,介護が必要となるリス クを高め,あるいは介護が必要となる.
 運動器の構成要素には,
@身体の支えの部分である骨,
A曲がり,衝撃を吸収する部分である関節や脊柱の椎間板,
B身体を動かしたり,制動したりする筋肉,筋肉に信号を送る神経系
が含まれる.  各構成要素の頻度の高い疾患には,
@○骨粗鬆症と骨粗鬆症性骨折,
A○変形性関節症,変形性脊椎症,
B○変形性脊椎症による脊柱管狭窄症,
サルコペニア(筋肉減少症),神経障害などがある.
 運動器疾患は,疼痛,柔軟性低下,姿勢変化,関節可動域の制限,筋力低下,バランス力低下などをきたす.これらの疾患や症状は単独でも人の移動機能を障害するが,高齢者での特徴は,疾患や症状が関係し合い,複合して移動機能を低下させることである.進行すると日常生活活動を制限し,要介護状態につながる.また転倒・骨折のリスクも高まり、これからも要介護状態につながる.

(図)評価法
(図)評価法

 移動機能は,身体的機能評価法である「立ち 上がりテスト」,「2 ステップテスト」と,主観 的評価法である「ロコモ25」によって評価す る.

 対処法は,運動器障害と移動機能低下の状況 によって,自宅で行う予防,地域活動などでの 予防,医療機関での治療に大別される.自宅で 行う予防はロコトレ(スクワット,開眼片脚立 ち)が基本である.運動介入の経過は上記3 つ のテストによって評価する.

 ロコモの原因となる運動器障害の代表的な疾 患として,骨粗鬆症や変形性関節症がある.
 このような運動器障 害は,高齢者に多く,慢性に進行し,経過が長 いという特徴がある.すなわち,経過中は症状 がほとんどない状態が長く続くため,医療機関 を受診しないことが少なくない.

(図)骨粗鬆症の年代別有病率
(図)骨粗鬆症の年代別有病率

 H17年に行われたRoad Studyによると 骨粗鬆症の有病者数は1,280 万人(男性300 万人,女性980 万人)となった.骨粗鬆症は女性に圧倒的に多いような印象を持っていたが網羅的調査で見ると30%が男性なので男性骨粗しょう症はかなり見逃されていると思われる。

変形性膝関節症 変形性腰椎症
(図)変形性膝関節症の年代別有病率 (図)変形性腰椎症の年代別有病率
(図)変形性膝関節症と変形性腰椎症の年代別有病率

 変形性膝関節症の有病率は40代から増加し、80歳以上では男性で50% 女性で80%になる。女性に多い。
 変形性腰椎症の有病率は40未満から増加が始まり、男性にやや多く、 80歳以上では男性で85%、女性で75%にもなる。
 高齢になるにつれて,骨粗鬆症に加えて,変 形性膝関節症や変形性腰椎症など複数の運動器 疾患の合併はよく経験されるところである.


要介護移行率と運動機能との関連

 5 回椅子立ち上がり時間,歩行速度のいずれも要介護移行と有意に関連して いた。,5回椅子立ち上がり時間が1 秒遅くなると近未来 (平均4 年)の要介護移行リスクは6% 有意に上 昇し,歩行速度が1 秒当たり0.1 m 早くなると 要介護移行リスクは16% 低下することがわか った.
 この結果はリハビリで運動機能を維持することにより、要介護になることを防げる可能性を示唆している。


基礎知識コラム〜変形性関節症と骨粗鬆症
(図)軟骨と骨の発生
(図)軟骨と骨の発生:骨は軟骨の骨化によって発生する

 間葉系細胞が凝集して円形の軟骨細胞になり軟骨原基ができる。
 主にU型コラーゲンとプロテオグリカンからなる細胞外基質を出して軟骨になる。
 軟骨の中心部の細胞は肥大化し基質を石灰化し、血管を誘導し、血球芽細胞が定着し骨髄になる(一次骨化中心)。軟骨原基の両端に二次骨化中心ができる。一次骨化中心と二次骨化中心の間に挟まれる形で軟骨が残り成長軟骨板になる。成長軟骨板はヒトでは成長が停止する10代後半に閉鎖して消失する。二次骨化中心の両端側の軟骨は関 節軟骨になる.
 相対する骨の端の関節軟骨が関節を形成する。関節軟骨は一生を通じて存在し,滑らかな関節運動を担う。
 骨変形のメカニズムは軟骨の損傷から始まる。
 U型コラーゲンとプロテオグリカンからなるマトリックス構造を持つ硝子軟骨が傷つくと脆弱な瘢痕組織に置き換わりやがては消失する。軟骨を失った関節は、骨同士が物理刺激を直接受け、骨硬化、骨棘形成、嚢胞形成を起こして変形性関節症になる。

(図)骨芽細胞の基質産生
(図)骨芽細胞の基質産生

 骨化中心の軟骨細胞は骨芽細胞に分化して骨形成を行う。骨芽細胞はT型コラーゲンを合成する。またALPやCa-ATPaseなどを含む骨基質小胞を分泌し、リン酸カルシウムからハイドロキシアパタイトを合成し、T型コラーゲンを石灰化し、骨形成を行う。
(図)破骨細胞の骨吸収
(図)破骨細胞の骨吸収

 破骨細胞は血球由来の多核細胞であり、酸(H+)を分泌してハイドロキシアパタイトを分解、カテプシンKなどの加水分解酵素でT型コラーゲンを分解する。
 分解が形成を上回ると、骨粗鬆症になる。


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