- 概要
急性胆嚢炎は、胆嚢(胆汁を貯める袋)に急性の炎症が起こる病気で、主に胆石が胆嚢管を閉塞することで発症します。胆汁の流れが滞り、胆嚢内圧上昇や細菌感染が加わって炎症が進みます。放置すると胆嚢穿孔や腹膜炎などの重篤な合併症を起こす危険があります。
- 主な原因
- 胆石性(90%以上)
- 無石性胆嚢炎
- 重症外傷、手術後、重症感染症などで発症(集中治療室で見られることが多い)
- 症状
- 右上腹部痛(特にMurphy徴候陽性:右肋骨下を押さえると強い痛みで吸気が止まる)
- 発熱
- 悪心・嘔吐
- 圧痛・筋性防御
- 黄疸(胆管閉塞を伴う場合)
- 診断
- 血液検査
- 白血球増加(WBC↑)
- CRP上昇
- 肝胆道系酵素上昇(AST, ALT, ALP, γ-GTP)
- ビリルビン上昇(総胆管結石合併時)
- 画像検査
- 腹部超音波
- 胆嚢腫大
- 胆嚢壁肥厚(>4mm)
- 胆石エコー
- sonographic Murphy sign
- CT
- HIDAシンチ
- 治療
- 急性期
- 入院管理
- 絶食・輸液
- 抗菌薬投与
- 広域カバー(例:セフトリアキソン+メトロニダゾール、ピペラシリン/タゾバクタム)
- 疼痛管理
- 手術
- **早期胆嚢摘出術(発症72時間以内)**が推奨(ガイドライン)
- 高リスク例や全身状態不良の場合は
- **経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)**で減圧後、全身状態改善を待って手術
- 合併症
- 胆嚢穿孔
- 胆汁性腹膜炎
- 胆嚢膿瘍
- 敗血症
- 胆管炎(総胆管結石併発時)
- 予後と注意点
- 早期診断・治療で予後良好
- 高齢者や糖尿病患者では症状が軽くても重症化しやすい
- 再発防止のためには胆嚢摘出術が根治療法
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