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02_4.ミリッチー症候群など |
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● ミリッチー(Mirizzi)症候群とConfluence stone
- 用語の定義と関係
- Mirizzi症候群
胆嚢頸部や胆嚢管に胆石が嵌頓し、その圧迫や炎症により総肝管(総胆管)が狭窄または閉塞し、黄疸や胆管炎などを引き起こす病態です
- Confluence stone(合流部結石)
胆嚢頸部に嵌頓した結石が、炎症とともに胆嚢の萎縮や壁の肥厚を経て、三管(胆嚢管・総肝管・総胆管)が合流する部位に移動して形成される結石です
- 病態進行における位置づけ
Mirizzi症候群には進行した亜型として、以下の2つが知られています:
- Biliobiliary fistula(胆嚢・胆管瘻):嵌頓した結石による圧迫壊死で、胆嚢と総肝管の間に瘻孔が形成された状態(Corlette I型)。
- Confluence stone(合流部結石):嵌頓石が胆嚢管を通り合流部へ移動し、該部に結石を形成した状態(Corlette II型)
すなわち、confluence stoneはMirizzi症候群の進行した亜型として位置づけられます。
- 治療と手術的対応
- 過去の報告(1989年)
大阪労災病院の報告では、Mirizzi症候群とconfluence stoneそれぞれ7例が1973年〜1986年の14年間に発症し、手術が行われました。特にconfluence stoneでは術中に胆嚢と胆管が高度に癒着し、胆嚢管の同定が困難な症例もあり、Tチューブ挿入、ガリブラスダー(gallbladder patch)、胆管空腸吻合など多様な修復術式が用いられていまし
- 最近の報告(2023年)
最新の研究では、confluence stoneに対して腹腔鏡下胆嚢摘出術と胆管形成術が安全に行われていた例が報告されています。Fundus-first手法により胆嚢を動かし、胆嚢管を長軸方向に切開して結石を摘出、その後連続縫合で閉鎖する技術が紹介されています
●おまけ 胆石イレウス
- 定義
胆石イレウスは、胆嚢内の大きな胆石が胆嚢と消化管(多くは十二指腸)の間に瘻孔を形成して消化管内に落下し、腸管を機械的に閉塞させる病態です。
高齢者女性に多くみられる比較的まれな胆石症の合併症です。
- 発症機序
- 慢性胆嚢炎の持続
胆嚢頸部や胆嚢管付近の胆石により炎症が慢性化。
- 胆嚢壁と隣接腸管(十二指腸や空腸)の癒着
炎症により胆嚢壁と腸管壁が密着。
- 胆嚢-腸管瘻の形成
壁が壊死・穿通して瘻孔ができる。
- 胆石の腸管内脱落
大きな胆石(2〜5cm)が腸管内に落下。
- 腸閉塞発症
多くは回腸末端で閉塞(解剖学的に最も狭い部分)。
- 好発部位
- 最多:回腸末端(約60〜70%)
- その他:空腸、十二指腸(Bouveret症候群:胃出口部閉塞)
- 症状
- 腹部膨満、腹痛
- 嘔吐(閉塞部位が高位ほど早期に発生)
- 便秘・排ガス停止
- 発熱(胆嚢炎や胆管炎を伴う場合)
- 画像診断
代表的三徴(Rigler’s triad)
- 腸管ガス像(小腸拡張)
- 胆道内気腫(胆嚢内または胆管内の空気像)
- 異所性胆石の描出(腸管内に高吸収の結石)
CT検査
- 高感度で診断率が高い
- 閉塞部位・結石の位置と大きさ・瘻孔の存在を確認可能
- 治療
原則は外科的治療
- 腸切開+結石除去術(Enterolithotomy)
- 高齢者や全身状態不良例ではこれのみ行い、瘻孔閉鎖は後日
- 一期的手術(腸切開+結石除去+胆嚢摘出+瘻孔閉鎖)
- 二期的手術
- 予後と注意点
- 高齢者・併存疾患例が多く、死亡率は10〜20%と高い
- 術後合併症(縫合不全、再閉塞)に注意
- 残存瘻孔による胆管炎や再発の可能性あり
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