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心肺蘇生(CPR:Cardiopulmonary Resuscitation)の概要と手順です。
主に日本救急医療財団(JRC)ガイドライン2020に基づいています。
- 心肺蘇生の目的
- 心臓が停止し、呼吸が止まった場合に脳や重要臓器への血流と酸素供給を維持し、蘇生の可能性を高めるために行う。
- 脳は約4〜6分で不可逆的損傷が始まるため、迅速な開始が重要。
- 実施前の確認(安全・意識・呼吸)
- 周囲の安全確認(交通・火災・電気などの危険がないか)
- 反応の確認
- 呼吸の確認(10秒以内)
- 正常な呼吸かどうか(しゃくりあげるような途切れた呼吸=死戦期呼吸は呼吸なしと判断)
- 応援要請・119番通報・AED手配
- ひとりなら→ 119番通報しながらスピーカーホンで指示を受ける
- 複数人なら→ 一人が通報、もう一人がAEDを持ってくる
- 胸骨圧迫(心臓マッサージ)
- 部位:両乳頭を結んだ線の中央(胸骨下半分)
- 姿勢:両腕をまっすぐ、手の付け根で押す
- 圧迫深さ:成人で約5cm(6cmを超えない)
- テンポ:1分間に100〜120回(「アンパンマンのマーチ」や「Stayin’ Alive」のリズム)
- 回数:30回連続で行う
- 解除:胸がしっかり戻るまで圧迫を緩める(完全解除)
- 人工呼吸(可能な場合)
- 比率:胸骨圧迫30回 → 人工呼吸2回
- 方法:
- 気道確保(頭部後屈あご先挙上法)
- 鼻をつまみ、口を密着させて息を吹き込む(約1秒かけて胸が上がる量)
- 感染防止の観点から、人工呼吸を省略し胸骨圧迫のみでも可(特に成人心原性心停止)
- AED(自動体外式除細動器)の使用
- 電源ON
- パッドを胸に貼る(右鎖骨下と左脇腹)
- 音声指示に従う
- 「ショックが必要」と指示があれば全員離れてボタンを押す
- 直後に胸骨圧迫を再開(2分ごとに解析)
- 蘇生継続
- 救急隊到着まで、または呼吸・意識が戻るまで続ける
- 複数人で交代(約2分ごと)すると質が維持される
- 小児・乳児のポイント
- 圧迫深さ:胸の厚みの約1/3(乳児約4cm、小児約5cm)
- 片手または両指で圧迫(乳児)
- 人工呼吸はできれば実施(窒息や呼吸障害が原因のことが多い)
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