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28.帯状疱疹後神経痛と鍼治療 |
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帯状疱疹後神経痛(Postherpetic Neuralgia, PHN)は、
帯状疱疹(Herpes zoster)の皮疹が治ったあとも痛みが持続する状態を指します。
当院では帯状疱疹の発症早期から鍼治療を施術することで帯状疱疹後神経痛を優位に抑制した結果を得たので合わせて公表します。
- 発症のメカニズム
- 帯状疱疹は**水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)**が原因。
- 初感染(水ぼうそう)後、ウイルスは神経節に潜伏。
- 加齢や免疫低下で再活性化 → 神経と皮膚に炎症を起こす。
- 炎症で末梢神経や脊髄後根神経節が損傷→ 痛みが慢性化。
- 皮疹消失後3か月以上痛みが持続するとPHNと診断されるのが一般的。
- 症状の特徴
- 持続性疼痛(灼熱感、うずく痛み)
- 発作性の鋭い痛み(電撃痛)
- アロディニア(軽く触れただけで強く痛む)
- 感覚鈍麻やしびれを伴うこともある
- 発症率
- 全体:帯状疱疹患者の約10〜20%
- 高齢者:70歳以上では20〜30%(報告によっては40%近く)
- 強い初期痛や広範囲の発疹、免疫低下があるとリスク上昇。
- 治療
- 薬物療法
- 抗てんかん薬:プレガバリン、ガバペンチン
- 抗うつ薬(三環系、SNRI):アミトリプチリン、デュロキセチン
- 局所治療:リドカイン貼付、カプサイシン外用
- 鎮痛薬:NSAIDs、アセトアミノフェン(軽度の場合)
- オピオイド:トラマドールなど(重症例)
- 神経ブロック療法
- 星状神経節ブロック、硬膜外ブロック、末梢神経ブロックなど
(急性期から行うことでPHN予防効果の報告あり)
- 補完療法
- 鍼治療(今回の解析のように有効性が示唆される場合あり)
- 温熱療法、リハビリ
- 予防
- 帯状疱疹ワクチン(不活化ワクチンの方がPHN予防効果が高い)
- 発症後はできるだけ早期に**抗ウイルス薬(バラシクロビル、アシクロビル等)**を開始
- 急性期の痛みをしっかりコントロールすることが重要
- 当院での鍼治療の効果
- 方法
- 39人の患者さんに発症早期から鍼治療を施術。
3か月以降に痛み(0無-10最強)を聞き取った。
- 鍼治療を施術していない患者さんにアンケートを行い61人の帯状疱疹の既往がある患者さんに現在の痛み(0無-10最強)を聞き取った。
- 結果
鍼治療群では、痛み0が35人、痛み1-2が4人、それ以上の痛みの人はいなかった。
帯状疱疹後神経痛の割合は4/39=10.3%だった。
この割合は一般の発症率と比較して低めと思われる。
鍼未治療群では痛み0が36人、痛み1-2が13人、痛み3-4が5名、痛み5-6が7名、それ以上の痛みの人はいなかった。
帯状疱疹後神経痛の割合は25/61=41.0%だった。
この割合は一般の発症率と比較して高めと思われる。
群間比較で以下の結果を得た。
- 検定方法:Welchのt検定(等分散を仮定しない)
- t値= -4.55
- p値= 0.0000225(有意差あり、p<0.001)
- 果量(Cohen's d)= -0.83(大きな効果量)
- 考察
- 鍼治療群は未治療群に比べて3か月後の痛みスコアが有意に低い。
- 効果量0.8超は臨床的にも大きな差とされ、鍼治療の有効性が示唆されます。
- 鍼治療群では痛みスコアが0の症例が多く、分布が低値に集中しています。
- 結論
鍼治療を発症早期から施術することで帯状疱疹後神経痛の発症が優位に抑制されることが示された。
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