04_2.すい臓がん |
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膵臓がんは早期では症状がほとんどなく、診断が難しいがんの一つです。
発見時にはすでに進行していることが多いため、
リスクのある方へのスクリーニングと偶発的発見が重要になります。
診断の始まりはまず腹部エコーです。
当院では1年に最低1回、できれば2回の腹部エコー検査をすすめています。
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■ 早期発見が難しい理由
- 膵臓が後腹膜にあり、がんが小さいうちは症状が出にくい
- 腹部エコーで全体が見えにくいことがある(胃・腸のガスで遮られる)
- 血液マーカー(CA19-9 など)は早期では正常なことが多い
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■ 早期診断のための対象者(高リスク群)
- 慢性膵炎の既往
- 膵嚢胞性疾患(IPMN、MCN など)
- 家族歴(2親等以内に膵がん患者が2人以上)
- 遺伝性膵がん症候群(BRCA2変異など)
- 新規発症または急激に悪化した糖尿病
- 喫煙歴、肥満
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■ 早期診断のための対象者(高リスク群)
- 腹部エコー(スクリーニング)
- 無症状でも健診や人間ドックで実施
- 膵管拡張や嚢胞、すい臓の限局性萎縮、腫瘤陰影が見られたら精密検査へ
- 胃内ガスの影響で全膵観察率は約70〜80%
- 血液マーカー
- CA19-9:感度は進行癌で高いが、早期では低感度
- CEA:CA19-9の非特異性上昇が少ない
- HbA1c変化(急な上昇)は新規発症糖尿病のスクリーニングに有用
- 造影CT・MRI(MRCP)
- CT:膵の質的評価・転移検索
- MRI(MRCP):膵管形態や嚢胞の評価が優れる
- 小さな腫瘍や膵管狭窄・拡張の検出に有用
- EUS(超音波内視鏡)
- 最も高解像度で小病変(1cm以下)も描出可能
- 膵の全体を近距離で観察
- 必要に応じてEUS-FNA(穿刺吸引細胞診)で確定診断
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■ 早期発見のためのポイント
- リスク群では定期的画像検査(6〜12か月ごと)
- 腹部エコーで膵管拡張や嚢胞を見つけたら放置せず精査
- 偶発的な膵嚢胞(特にIPMN)は定期フォロー
- 新規糖尿病や原因不明の体重減少では膵臓評価を考慮
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■ まとめ表(早期診断のための検査特性)
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| 検査 |
メリット |
デメリット |
早期がん検出力 |
| 腹部エコー |
安価・被ばくなし |
観察困難部位あり |
中 |
| CT(造影) |
広範囲評価 |
被ばく・造影剤腎障害
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中〜高 |
| MRI(MRCP) |
膵管描出良好・被ばくなし |
時間がかかる |
高 |
| EUS |
高解像度・小病変可視化 |
侵襲あり |
非常に高 |
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