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10.萎縮性胃炎


萎縮性胃炎(いしゅくせいいえん)は、胃の粘膜が薄くなり、本来の胃酸や粘液を分泌する働きが低下した状態を指します。主に慢性的な炎症が長く続いた結果として起こります。 胃のポリープの切除や小さな胃癌の治療を行います。
  1. 原因
    • ピロリ菌(Helicobacter pylori)感染
      • 日本では最も多い原因。長年の感染により胃粘膜が炎症→萎縮していきます。
    • 自己免疫性胃炎
      • 自分の免疫が胃の壁細胞を攻撃するタイプ(欧米で多い)。
    • 長期的な塩分過多・喫煙・過度飲酒
    • 高齢化による自然変化
  2. 胃粘膜の変化
    • 健康な胃粘膜では胃酸や粘液を分泌する腺が豊富ですが、萎縮性胃炎では腺の数が減少し、腸の粘膜に似た「腸上皮化生」に置き換わることがあります。
    • この状態は胃酸分泌低下だけでなく、胃がんのリスクが上がる前段階と考えられています。
  3. 症状
  4. 初期は無症状のことが多く、
    次第に以下がみられることがあります。
    • 胃もたれ
    • 食欲不振
    • 胃酸不足による消化不良(肉・魚がもたれる)
    • 貧血(ビタミンB12吸収不良による)
  5. 診断
    • 胃カメラ:粘膜の色調(淡い・黄色っぽい)、血管透見像などで判断
    • 組織検査(生検)
    • 血液検査
      • ピロリ菌抗体
      • ペプシノーゲン法(胃酸分泌低下の指標)
  6. 分類(萎縮度による:木村-竹本分類)
    • C-1:萎縮粘膜が前庭部にとどまるもの
    • C-2:胃角部から胃体下部に至るもの,
    • C-3:胃体上部までにとどまるもの,
    • O-1:萎縮粘膜が噴門周囲までにとどまり,大彎のひだはほぼ保たれているもの,
    • O-2:O-1とO-3との間
    • O-3:全体的に大彎のひだが消失し,萎縮が全体にあると考えられるもの,
    胃角部が萎縮していればC-2以上、胃底部が萎縮していればO-2以上
  7. 治療と管理
    • 原因の除去
      • ピロリ菌がいれば除菌治療
    • 胃がん予防のための定期内視鏡
      • 萎縮の範囲が広いほど年1回程度の経過観察が望ましい
    • 胃酸不足がある場合は消化酵素補助
    • 食生活改善
      • 塩分控えめ
      • 野菜・果物摂取
      • 喫煙・過度飲酒の中止
  8. ポイント
    • 萎縮性胃炎は治療よりも進行抑制と胃がん早期発見が重要
    • ピロリ菌除菌で進行を止められる可能性あり
    • 無症状でも胃カメラによる定期チェックが推奨されます

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