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12. 逆流性食道炎


  1. 原因
    • 下部食道括約筋(LES)の機能低下
      胃と食道の境目にある筋肉の締まりが弱くなると、胃酸が逆流しやすくなります。
    • 胃内圧の上昇
      大食い・肥満・妊娠・腹圧上昇(便秘、きつい服、前かがみ姿勢など)。
    • 食道裂孔ヘルニア胃の一部が横隔膜を通って胸腔内に入り込む状態。
    • 生活習慣脂っこい食事、アルコール、喫煙、カフェイン、就寝前の飲食。
  2. 主な症状
    • 胸やけ(胸骨の裏が熱くなる感じ)
    • 酸っぱい液や苦い液が口に上がってくる(呑酸)
    • 喉の違和感・咳・声のかすれ(咽喉頭逆流症 LPR)
    • 胸痛、嚥下障害(重症例)
  3. 診断
    • 内視鏡検査
      食道粘膜のびらん(ただれ)や発赤を確認。
      食道炎の重症度は**ロサンゼルス分類(LA分類)**で評価。
    • pHモニタリング検査
      食道内の酸の逆流回数・時間を測定。
    • 食道内圧測定
      括約筋の働きや食道の運動機能を調べる。
  4. 重症度分類=ロサンゼルス分類(LA分類)
    • グレードN(正常):内視鏡検査で変化を認めない、正常な食道の状態。
    • グレードM:粘膜の炎症はないが、粘膜が白濁しているなど、色調変化のみが認められる状態。
    • グレードA:長径5mm以下の粘膜傷害が1つ以上ある状態。
    • グレードB:長径5mmを超える粘膜傷害が1つ以上あり、かつ、別の粘膜ひだに連続していない状態。
    • グレードC:少なくとも1つの粘膜傷害が2条以上のひだに連続して広がっているが、全周の75%未満の状態。
    • グレードD:全周の75%以上に粘膜傷害が広がっている状態。
  5. 治療
    1. 生活習慣の改善
      • 過食・高脂肪食を避ける
      • アルコール、カフェイン、チョコ、香辛料を控える
      • 就寝の2〜3時間前からは飲食しない
      • 枕を高くして寝る(上半身を15〜30度ほど傾ける
      • 減量(BMI 25未満が目標)
      • 禁煙
    2. 薬物療法
      • プロトンポンプ阻害薬(PPI):オメプラゾール、ランソプラゾール、エソメプラゾール、タケキャブ(ボノプラザン)など。胃酸分泌を強力に抑制。
      • H?受容体拮抗薬(H2ブロッカー):ファモチジンなど。PPIほど強くないが有効。
      • 制酸薬・粘膜保護薬:対症的に使用。
    3. 外科的治療
      • 内科的治療で効果不十分な場合、腹腔鏡下噴門形成術(Nissen法など)を検討。
  6. 放置した場合のリスク
    • 食道狭窄(びらん治癒後の瘢痕)
    • バレット食道(粘膜が腸上皮化生し、食道腺がんリスク増加)
    • 慢性的な咳・喘息悪化・喉頭炎など

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