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クローン病は、消化管の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍ができる病気で、炎症は口から肛門までの消化管のあらゆる場所に起こる可能性があります。特に小腸と大腸に多くみられますが、病変は連続しておらず、病変と病変の間に正常な組織が存在するのが特徴です。
また肛門病変が多いことも特徴です。
クローン病の原因は、まだはっきりと解明されていません。遺伝的要因、環境要因(食事、腸内細菌、ストレスなど)、免疫異常などが複雑に関与していると考えられています。
クローン病の診断までにかかる期間は、平均して数か月から数年に及ぶこともあります。
その原因として
・初期症状が非特異的で、腹痛、下痢、微熱、体重減少などは他疾患(感染性腸炎、IBSなど)と区別がつきにくい。
・若年発症が多く、機能性疾患と誤診されやすい。
・特に10〜20代では、過敏性腸症候群や心因性とされることもある。
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◇ 患者数 約5万人以上と推定
◇ 年齢別発症
年齢層 発症率・特徴
<10歳 全患者の約6〜8%、小児クローン病あり
10〜19歳 最初の最大ピーク(青春期?若年期)
20〜29歳 最大のピーク層。日本/海外ともに中心年齢層
30〜50歳 徐々に減少、加齢とともに発症率低下
>60歳 約15%がこの世代で発症、“第2ピーク”あり
◇ 男女比は2:1程度で男性にやや多い傾向があります。
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腹痛、下痢、血便、発熱、体重減少、肛門病変有り
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クローン病の診断基準(日本における一般的な構成)
1. 主要所見
以下のいずれかが認められること:
・非連続性(skip lesion)を示す腸管病変
・縦走潰瘍(longitudinal ulcer)
・敷石状外観(cobblestone appearance)
・腸管の狭窄または瘻孔
・病理で乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫
2. 副次所見
・肛門部病変(痔瘻・裂肛・膿瘍など)
・小腸病変(特に回腸終末部)
・全消化管にわたる病変分布
・腹部腫瘤や腫瘤性病変
・発熱、体重減少、貧血などの全身症状
・炎症マーカー(CRP↑、白血球↑など)の上昇
・便中カルプロテクチン高値
3. 除外すべき疾患
以下の疾患を除外することが必要です:
・潰瘍性大腸炎
・感染性腸炎(例:結核性腸炎、寄生虫症など)
・虚血性腸炎
・腸管ベーチェット病
・悪性腫瘍(腸管原発リンパ腫など)
診断の進め方(プロセス)
問診・身体所見:
腹痛、下痢、血便、発熱、体重減少、肛門病変の有無などを確認。
血液検査・便検査:
炎症反応、栄養状態(アルブミン)、貧血、便中カルプロテクチンなど。
内視鏡検査(大腸・小腸カプセル・バルーン内視鏡など):
特徴的な潰瘍や粘膜変化を観察し、組織生検を行う。
画像検査(CT/MRI enterography、小腸造影):
小腸の狭窄や瘻孔などの病変を評価。
病理診断:
乾酪壊死を伴わない類上皮肉芽腫が特異的だが、必須ではない。
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クローン病の治療は、主に内科的治療と外科的治療に分けられます。
内科的治療では、薬物療法や栄養療法が中心となり、症状の改善や寛解を目指します。
外科的治療は、腸閉塞や穿孔、膿瘍などの合併症に対して行われます。
内科的治療
薬物療法:
・抗炎症薬:炎症を抑えるために、5-アミノサリチル酸製剤(5-ASA)やステロイドなどが用いられます。
・免疫調節薬:免疫機能を調整し、炎症を抑えるために、アザチオプリンや6-メルカプトプリンなどが用いられます。
・生物学的製剤:炎症に関わる物質を抑えるために、抗TNF-α抗体などが用いられます。
栄養療法:
・経腸栄養:栄養剤を直接腸に送り込む方法で、病変部の安静と栄養状態の改善を目的とします。
・完全中心静脈栄養:栄養剤を点滴で直接血管に送り込む方法で、重症の場合や経腸栄養が困難な場合に用いられます。
・食事療法:脂肪制限や低残渣食など、病状や病変部位に合わせて食事を調整します。
外科的治療
腸閉塞や穿孔、膿瘍などに対する手術:
・腸管の狭窄部を切除したり、膿瘍を排出したりする手術が行われます。
内視鏡的バルーン拡張術:
・狭くなった腸管をバルーンで広げる治療法です。
その他
・血球成分除去療法:炎症に関わる成分を血液から取り除く治療法です。
・寛解導入療法:症状を落ち着かせるための治療で、薬物療法や栄養療法が用いられます。
・寛解維持療法:寛解状態を維持するための治療で、薬物療法や栄養療法が用いられます。
クローン病の治療は、病状や合併症の有無によって異なります。医師と相談しながら、適切な治療法を選択することが大切です
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