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概念図
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ロコモの概念
ロコモティブシンドローム(以下「ロコモ」)とは、「運動器の障害によって移動機能が低下した状態」を指します。ロコモが進行すると、日常生活における自立性が損なわれ、介護が必要となるリスクが高まります。
運動器の構成要素と代表的疾患
運動器を構成する要素には以下が含まれます:
- 身体を支える骨
- 曲げ伸ばしや衝撃吸収を担う関節や椎間板
- 身体を動かす筋肉とそれを制御する神経系
頻度の高い関連疾患には以下があります:
- 骨粗鬆症および骨粗鬆症性骨折
- 変形性関節症、変形性脊椎症
- 脊柱管狭窄症(変形性脊椎症による)
- サルコペニア(筋肉減少症)、神経障害
これらの疾患は、疼痛、柔軟性の低下、姿勢変化、関節可動域の制限、筋力低下、バランス能力の低下などを引き起こします。高齢者では、これらが複合的に移動機能を低下させ、日常生活活動を制限し、転倒や骨折を経て要介護状態に至るリスクが高まります。
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(図)評価法
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移動機能の評価方法
移動機能は以下の方法により評価されます:
- 立ち上がりテスト(身体的機能評価)
- 2ステップテスト(身体的機能評価)
- ロコモ25(質問票による主観的評価)
ロコモへの予防と対処
対処法は、運動器障害や移動機能の低下の程度に応じて以下に大別されます:
- 自宅での予防(ロコトレ:スクワット、開眼片脚立ち)
- 地域活動などを通じた予防
- 医療機関での治療
介入の効果は、前述の評価法で測定します。
ロコモの代表的な原因疾患とその特徴
ロコモの原因となる運動器障害として、骨粗鬆症や変形性関節症が挙げられます。これらは高齢者に多く、慢性的に進行し、症状が乏しいまま経過することが多いため、医療機関を受診せず見逃されることもあります。
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(図)骨粗鬆症の年代別有病率
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平成17年のROAD Studyによれば、骨粗鬆症の有病者数は約1,280万人(男性300万人、女性980万人)とされています。男性にも30%の割合で認められ、見逃されているケースが多いと考えられます。
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(図)変形性膝関節症と変形性腰椎症の年代別有病率
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変形性膝関節症は40代から有病率が増加し、80歳以上では男性約50%、女性約80%に達します。
変形性腰椎症は40歳未満から増加し始め、男性にやや多く、80歳以上では男性約85%、女性約75%に達します。
高齢になるにつれて、骨粗鬆症と変形性関節症・脊椎症など複数の疾患を合併することが一般的です。
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| 要介護移行率と運動機能との関連 |
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「5回椅子立ち上がり時間」や「歩行速度」は、要介護状態への移行と有意に関連しています。
- 立ち上がり時間が1秒遅くなると、約4年以内の要介護リスクが6%上昇
- 歩行速度が0.1m/s速くなると、要介護リスクが16%低下
これらの結果は、リハビリテーションによって運動機能を維持・向上させることで、要介護状態を予防できる可能性を示唆しています。
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| §§§基礎知識コラム〜変形性関節症と骨粗鬆症§§§ |
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(図)軟骨と骨の発生:骨は軟骨の骨化によって発生する
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軟骨と骨ができる仕組み
私たちの骨は、最初は「軟骨」として作られます。間葉系細胞が集まり、丸い形の軟骨細胞になって軟骨のもと(軟骨原基)を作ります。
中心の軟骨細胞は肥大化し、軟骨の中にカルシウムが沈着して硬くなります。そして血管が入り込み、血液を作る骨髄ができます(一次骨化中心)。
両端にできる二次骨化中心との間には軟骨が残り、成長軟骨板になります。ここが10代後半に閉じて成長が止まります。
両端の軟骨は関節軟骨となり、骨と骨の間で滑らかな動きを助けます。
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(図)骨芽細胞の基質産生
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骨が作られる仕組み
骨芽細胞がT型コラーゲンを作り、カルシウムを使ってハイドロキシアパタイトを作り、骨を硬くします。
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(図)破骨細胞の骨吸収
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骨が壊される仕組み
破骨細胞は酸を出してハイドロキシアパタイトを溶かし、酵素でT型コラーゲンを分解します。壊す量が多くなると骨粗しょう症になります。
関節の傷と変形
健康な関節軟骨は、U型コラーゲンとプロテオグリカンでできたガラス軟骨です。
傷つくと瘢痕組織に置き換わり、やがて軟骨がなくなります。骨と骨がぶつかるようになり、骨硬化、骨棘(トゲ)、嚢胞ができ、変形性関節症になります。
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